焼き芋はおいしい。でも毎回焼かない|さつまいもを弱火でゆっくり蒸すようになった理由
先週、スーパーでさつまいもを1箱買いました。
ところが今週、同じスーパーへ行ってみると、私が買ったものと同じさつまいもが約40%も安くなっていました。
「えっ、この前買ったばかりなのに……」
少し悔しくなりましたが、安くなった値段を見ると素通りもできません。家にまだ残っているのに、結局もう1箱買ってしまいました。
わが家では、さつまいもをよく蒸して食べます。
焼き芋も大好きです。お店で買う焼き芋は、中までしっとりしていて甘く、家でも食べたくなることがあります。
ただ、毎回オーブンやエアフライヤーで長時間焼くとなると、時間もかかりますし、電気の使用量もちょっと気になります。
そこで普段しているのが、鍋で弱火にして時間をかけて蒸す方法です。
さつまいもは短時間で一気に火を通すより、内部の温度が急に上がらないよう時間をかけて加熱したほうが、甘さを引き出しやすくなります。
私の場合は両端を少し切り、弱火で20〜30分ほどを目安に蒸します。途中で箸を刺してやわらかさを確認し、火が通ったらすぐに取り出して縦半分に切ります。
そのまま5〜10分ほど置いてから食べる。
ここまでが、いつもの流れです。
焼き芋のように長時間焼かなくても、この方法なら甘さとしっとりした食感の両方に満足できています。
急いで火を通したら、半分に割ったときから違った
以前は、お腹がすいていると待てなくて、電子レンジの高いワット数で短時間加熱したこともあります。
蒸すときも、早く食べたくて火を強めたことがありました。
もちろん食べられる状態にはなるのですが、私の場合、高いワット数で短時間加熱したものは、半分に割ったときからいつもの仕上がりとは少し違いました。
中はほくほくしているものの、少しパサッと感じることがあります。
一方、弱火で時間をかけて蒸したものは、私には中身がよりしっとりして見え、食べたときの甘みも強く感じられました。
同じようなさつまいもでも、火の通し方でこんなに違うのだろうか。
何度か食べるうちに気になり、理由を調べてみました。
さつまいもの甘さには「時間」も関係していた
さつまいもには「β-アミラーゼ」という酵素が含まれています。
加熱によってでんぷんが糊化すると、β-アミラーゼの働きによってマルトース(麦芽糖)が作られます。このマルトースは、加熱したさつまいもの甘みに大きく関係しています。
甘さには、でんぷんが糊化する温度とβ-アミラーゼの働きが関係しているため、単純に高い温度で早く火を通せば、より甘くなるというものではありません。
農研機構の研究でも、蒸したさつまいものマルトース生成量にはβ-アミラーゼの活性だけでなく、でんぷんの糊化開始温度が関係することが示されています。
また、品種によっても性質は異なります。
そのため、「弱火で何分蒸せば必ず一番甘くなる」とは言い切れません。
それでも、以前から感じていた「急いで作ったときと味が違う」という疑問には、火の通し方も関係していたようです。
わが家では弱火で20〜30分、箸でやわらかさを確認
わが家での作り方は、とても簡単です。
まず、さつまいもをよく洗い、両端を少し切ります。
蒸し器に入れたら、弱火で20〜30分ほどを目安に蒸します。
ただし、時間だけを頼りにはしていません。
細いものなら早くやわらかくなりますし、太いものではもう少し時間がかかることもあるからです。
そこで途中から箸を刺して確認します。中心まで箸がすっと通るくらいやわらかくなったら火を止めます。
今回のように箱で買うと、一度に何本か作ることもあります。1本ずつ焼くより、鍋でまとめて蒸せるところも私には便利です。
特別な道具を用意せず、普段使っている鍋で作れる気軽さも、この方法を続けている理由のひとつです。
火が通ったら、鍋に置いたままにしない
火が通ったら、私はすぐに蒸し器から取り出します。
以前は火を止めたあとも、ふたを閉めたまま置いていたことがありました。ところが、私には水分がこもって少しべたっとした食感に感じられました。
それからは、やわらかくなったら鍋から取り出し、包丁で縦半分に切るようになりました。
切ったあとは、すぐに食べずに5〜10分ほど置きます。
これは「5〜10分置けば糖が増える」という意味ではありません。
ただ、私には蒸したてをすぐに食べるより、半分に切って5〜10分ほど置いたほうが、甘みが少し濃く、まとまったように感じられます。
実際に糖が増えているということではなく、あくまで私が食べたときの感覚です。それでも、何度も蒸して食べるうちに、この食べ方がいちばん自分の好みに合っていると感じるようになりました。
鍋の中に置いておくのではなく、火が通ったら取り出して半分に切り、少し置いてから食べる。弱火で火を通すところから最後の食べ方まで含めて、今のわが家のやり方になっています。
しっとり食べたい日は、塩水につけることも
わが家では時々、両端を切ったさつまいもを薄い塩水に30分〜1時間ほどつけてから蒸すこともあります。
私には、このほうが甘みがはっきりし、しっとり感じられるので気に入っています。
ただし、塩水につけることで糖そのものが増えるという意味ではありません。あくまで、わが家で続けている食べ方のひとつです。
電子レンジそのものが悪いわけではない
電子レンジでも、低いワット数で時間をかけて加熱する方法があります。「電子レンジだから甘くならない」というわけではありません。
わが家の電子レンジも低いワット数まで設定できますが、私は何本かまとめて作りやすく、自分の好みの食感になりやすいので鍋で蒸しています。
焼き芋はおいしい。でも、毎回長時間焼くのは少し気になる。
そんなわが家には、弱火で蒸す方法がちょうど合っています。
安くなっていたので、結局もう1箱買いました
今回スーパーで安くなっているのを見つけて、家にまだ残っているのにもう1箱買ってしまいました。
さつまいもは品種や大きさによっても仕上がりが変わるので、私は20〜30分という時間だけで決めず、最後は箸を刺してやわらかさを確認しています。
火が通ったらすぐに取り出し、縦半分に切って5〜10分ほど置く。
しばらくは、この方法で蒸したさつまいもが、わが家のおやつになりそうです。
それにしても、1週間前に買った値段を思い出すと、やっぱり少し悔しいです。
今回調べる中で参考にしたもの
✔農研機構「サツマイモのマルトース生成におけるβ-アミラーゼ活性とでん粉糊化温度の影響」
✔農研機構「低温糊化でん粉を含むサツマイモ『クイックスイート』のマルトース生成メカニズム」
✔カゴメ VEGEDAY「さつまいもの栄養!甘さが増す理由と、蒸し&レンジの食感の違い」



